厚生省エイズ動向委員会の発表によりますと、性的接触を感染の原因とするHIV感染者の報告は依然として増加が続いています。特に、国内で感染する日本人男性の増加が顕著になっています。患者・感染者の年齢では、これまでに報告された中では20歳代と30歳代が52%(1996年12月現在)となっているように、若い世代での感染が多いことが特徴です(図−1)。また、厚生省結核・感染症サーベイランス事業の結果によりますと、その他の性感染症については、次のとおりです。
(1) 淋病(りんびょう)様疾患は男女とも1992年から減少しましたが、1995年より再び増加する傾向がみられています。特に都市部での増加の兆(きざ)しが指摘されています。
(2) クラミジア感染症は男性で1992年に軽度減少しましたが、それ以降は横ばいからやや増加傾向にあります。女性は1992年に増加が止まり1993年以降は横ばいとなっています。ただし、日本性感染症学会の報告の中には、クラミジア感染症をはじめとして性感染症の増加傾向を示す調査結果とともに、子宮頚管部(しきゅうけいかんぶ)からのクラミジア検出率が既婚女性で約5%、未婚女性で約13%という調査結果が示されています。我が国の性感染症の動向は決して予断を許さない状況です(図−2)
(3) 性器ヘルペスは男性では横ばいですが、女性では増加の傾向にあります。
(4) トリコモナス症、尖形(せんけい)コンジロームは男女とも減少傾向が続いています。
(5) 梅毒については厚生省感染症サーベイランス事業の対象疾患とされていませんが、大阪府が行っている性感染症動態調査では、1995年は前年に比し早期顕性(けんせい)梅毒の増加が報告されています。 なお、性感染症のそれぞれの症状などについては、以下の問いをご覧ください。