緊急避妊法とは、セックスの後に妊娠を回避する方法です。ここでは薬剤を服用する方法(緊急避妊ピル)についてご説明します。
例えば、 ●コンドームが破れた時、はずれた時
    ●避妊をしなかった時
などの場合に行います。
緊急避妊ピルは、「モーニングアフターピル」とも呼ばれますが、必ずしも朝飲むものではありませんので、この呼び方はふさわしくありません。


日本で主に使用されているのは、エチニルエストラジオールを100μg、ノルゲストレルを1.0mgを無防備なセックスが行われた後72時間以内に服用し、その後12時間後に再び同じ量を服用するという方法です。この薬剤は薬局には売っていません。お近くの産婦人科を受診してください。


この方法が正確に実行されたとしても、100%妊娠を避けられるわけではありません。失敗率(妊娠率)は約2%といわれています。一見高い確率であるように見えますが、これは1回限りの使用に対する妊娠率ですので、セックスの事前に定期的に行う通常の避妊法に比べると効果が低いと考えた方がいいでしょう。


通常、精子と卵子が出会い受精が行われてから、子宮内膜に着床するまで(着床した時点で「妊娠」となります)約1週間かかるといわれています。この期間中に、受精卵を子宮内膜に着床させるのを妨いだり、排卵を遅らせるために前述の薬剤を使うのです。このことから、すでに着床(妊娠)してしまった場合では薬剤の効果がありません。服用時間に制限があるのはそのためです。また、この方法は着床(妊娠)する前の避妊法ですので、いわゆる「中絶薬」ではありません。


一度に大量のホルモンを服用するのですから、副作用はあります。一番多いのは「気持ちが悪くなる」ことです。これらは約50%の人にみられ、実際に吐いてしまう人もいるようです。服用後2時間以内に吐いてしまった場合は薬剤の効果が期待できませんので、もう一度服用しなければなりません。その他には不正出血や乳房緊満感、頭痛やめまいなどがおこる可能性があります。


セックスのたびに緊急避妊法を使ったとしても、1年を通じた妊娠率は、他の避妊法よりも高いといわれています。また、この方法を使用した後の月経は不規則になることがあり、次の排卵日の予測が難しくなることもありますので、何度も連続して使う方法としてはおすすめできません。これはあくまでも「緊急避妊」ということを忘れないでください。また、もし現在使っている避妊法で失敗したのなら、なぜ失敗したのか、今後失敗を繰り返さないためにはどうすればいいかを考えましょう。産婦人科医があなたのアドバイザーとして、適切な助言をくれるはずです。